2004年03月24日

無邪気さ

 この辺の人がblogにはまっている様子を見て、1年半ほど前にあったとある事件を思い出す。

 それというのは、とある大学の研究室の教員と学生が当時のMovableTypeだと思うがblogを使って日記を書き、研究室内で楽しく遊んでいたという非常に微笑ましい人たちに起きた事件である。。

(長文なので続く)

 とりあえず、World Wide Webという言葉ってのは、全世界に自作のコンテンツを公開できるという甘い響きを持っているわけではあるが、実際のところ、Webページになんか置いただけじゃ誰も見ないのは当然で。普通の個人の持ってる情報には希少性なんてあるわけがない。

 まあ、そんなわけで、始めた当初は個人同士の内輪ネタで始めて、相互リンクで遊ぶって形になるのは自然の流れで。タグなんぞ打ちながらやってるのは、面倒臭いのでCGIを使うのはまあ当然。blogで、学生同士大したネタなんぞないので、個人の近況とかテレビなり雑誌なりニュースサイト見た感想を載せて、意見交換をするとになるわけです。まあ、よくあるWeb日記だよねぇ。

 まあ、それで終わるならば特に何と言うことはなかったので、あるが、その中でも特に熱心な学生が、自分の名前を入れて「○○抜きには日本のblogを語れない、というようになりたい」とか文章は忘れたがその手の文で語ったらしい。(伝聞なので)

 この辺はちょっとgoogle様にお伺いを立てて、検索しつつネットをふらふらしていれば、すぐに世の中のWebコンテンツってもんはどんなものが多いのかわかりそうなもんではあるが、その辺はビギナーの悲しさ。MovableTypeというツールをなまじ発見してしまったために、Web日記コミュニティを再発見してしまったわけです。既に原住民のいるアメリカ大陸を発見したコロンブスみたいな勢いでしょうか。

 というわけで、原住民であるところの目ざとい日記書きに、
(1)他所から既製品のCGIとか拾ってきて置いただけで何をえらそーなことほざいとる。
(2)やってることは単なるWeb日記じゃん。
(3)blogったって別に珍しいもんじゃなくて、似たようなもんはなんぼでもあるよ。
 などというコメントリンクを受けまくったわけです。

 そこの学生達やらせんせー達やらも最初はいちいち「既存のWeb日記とは違う」「日本にはまとまったWebコミュニティなどはない」反論していたらしいですが、暴力的ともいえる集団の圧力に抗しきれず、最終的には謝罪をせざるを得なくなったわけです。

 確かに日本におけるWeb日記コミュニティってのは、まとまってはいないのかも知れませんが、その中でも初期からやってきている人とその関係者っていうのは、せいぜいがとこ「友達の知り合い」という2HOPのゾーンに納まってしまう非常に狭いゾーンに固まっており、そこ経由で情報が広がります。
 ですので、面白そうな話があれば数日のうちにはそこらの濃い人たちには伝わってしまうため、彼らはそういう皮肉にもそういう「面白ければ何でもあり」のメンツの多数にいじられまくって、コミュニティのようなものの存在を悟ったわけです。

 実際、blogの特徴であり、とっくの昔にw3cなどで標準化されているtrackback/pingの機能やらで自動化されている機能についても、アンテナのような巡回時刻チェックと、リンクとWebサーバのログチェックというネットワークにある程度知識がないとできない、かつ原始的な方法で何年もの間に運用してきた人たちにとっては、特に珍しいものと感じられなかったわけです。

 ただ、このblogって奴の勢いは現在のところはマスコミに乗っかってかなり大したもんらしく、原住民に追い返されるコロンブスどころか、黒船位の実力があるのかも知れませんが、日本国内でも一気に文明開化して「最初からこんなのあったよ」とかいうような、キャンディキャンディを自国制作と疑わないフランス人のような状況になるのかもしれません。

 こんなことを書いている俺ですが、1995年末にWeb日記を始め、手当たり次第にリンクを張りまくり、リンクで意見を付けられ、掲示板に相互に書き込みをし、時にはオフ会をし、時にはバトルをして、世界を相手に遊んでいるような気持ちになったもんです。(遠い目)
 この辺は、多分何年もやってる人も、最近始めたばかりの人も、必ず通る道でしょう。(通れなかったら大して面白いことないから辞めると思われ。)

 この木村某とかこの研究室の人たちとかも、この辺の道通っている「何とかの覚えたて」の状態であるだけだと思うので、みなさんもいちいちカリカリせずに生暖かい目で見守ってやって下さいね。

Posted by su- at 2004年03月24日 17:50 | トラックバック
コメント

いやあ、でも、普通の人ならいざしらず、IT業界で(おそらくお金をもらって)ニュースサイトに寄稿している人がこれでいいのか?みたいに思ってしまうわけですよ。

Posted by: はるか at 2004年03月24日 20:01
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